紺碧ブログ

自転車や写真など筆者が関心のあることを気ままに書いていくブログです。

【BESV】PSF1 半年レビュー【ミニベロ】【折り畳み】【電動】

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BESV HPより引用

2021年4月にBESV PSF1を納車してから半年(正確には7ヶ月)経ちました。
納車してから本当に生活が一変して、それまでどちらかというと出不精だった自分が、週末となればPSF1で様々な所に出かけてポタリングやロングライドを楽しむようになりました。
自転車の沼に完全にハマり、ロードバイクまで衝動買いしてしまった2021年…
多分、忘れらなれない年になるでしょう…

そんな『自転車道』に連れて行ってくれたPSF1について思ったことをつらつらと書いてみたいと思います。

目次

PSF1の良いところ

スタイリッシュなフォルム!

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BESV HPより引用

初見の印象…「カッコイイ!」
半年経っての印象…やっぱり「カッコイイ!」

未来を予感させる洗練されたデザイン。
ロードバイクとはまた違ったベクトルで魅力があるフォルムです。
中でも気に入っているのはバッテリーパックが違和感がないようにデザインされている点です。

折り畳みが秀逸!

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リアのサスペンションのジョイントを外して後輪を畳み、前輪を折り畳み、ハンドルポストを畳むという3ステップで折り畳みが完了。
メインフレームを折らずにリアサスペンション部分を折りたたむのでフレームの剛性が保たれ、また、他の電動折り畳み自転車に比べて折り畳み時の幅が狭いのも素晴らしい!

この幅は、ギリギリですがグリーン車の後部座席裏のスペースに入れることができるサイズです!

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ギリギリだがグリーン車の後部座席裏に収まる幅

オプションのリアキャリアにはキャスターがついており、折り畳んだ状態で転がして移動できる。この辺はブロンプトンのRモデル(リアキャリア付きモデル)と同じ感じでやはり何かと便利です。

高い走行性能&大容量バッテリー

20インチ(406)のタイヤ径は小回りが効くので街乗りに便利。
電動アシストがあるので信号待ちなどのストップ&ゴーは非常に楽だし、激坂もグングン登っていけます。
バッテリーも大容量で、パワーモードでも55km/LOWモードなら95kmものロングライドに対応(カタログスペック)。

実際自分が伊豆イチ(伊豆半島1周)ライドを行った時は適切にバッテリーマネジメント走行すれば峠越えを含む120kmを走り切ることを実証できました。

日本の法律で決められている24km/hまでは電動アシストが効くので、平坦な道では楽に20km/h以上で巡航できます。自分の場合、調子が良ければ28km/hくらいの速度で走っています。
脚力のある方なら30km/h超でも巡航できると思います。
これはミニベロにしてはなかなかの走行性能だと思います。

多機能なサイコン

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PSF1のサイクルコンピュータはミニベロとは思えないほど多機能です。
現在速度/平均速度/最高速度/航続可能距離/ODD(総走行距離)/走行距離(TRIP)/ケイデンスRPM)/パワーメーター/消費カロリー
…以上の表示が可能。
中でも「パワーメーター」機能があるのが凄い!
ロードバイク用のパワーメーターは単独購入で10万円〜するのを考えると、標準装備しているPSF1はかなりお得!

欲を言えばGPSラッキング機能と斜度計測機能があれば完璧だった!

USB給電機能が便利!

PSF1のサイクルコンピュータディスプレイの脇にはUSB給電ポートがあり、スマホなどの機器に電力を供給することができます。
これがかなり便利!
ロングライドでのルートはスマホのナビ頼りなのですが、このUSB給電ポートのおかげでスマホの電池切れの心配がありません。
ロードバイクでのツーリング中にスマホの電池が切れて大変な思いをしたことがあるので、この存在は本当にありがたいと思っています。

登坂性能が非常に高い!

PSF1が真価を発揮するのはヒルクライムで、電動アシストを使えば登り坂は正に「無敵」で、ロードバイクをどんどん追い抜いてしまう登坂力を持っています。

大概の峠であればバッテリー1個で登り切れてしまうのも魅力。

斜度20%超えるような激坂でもアシストパワー+ローギアで立ち漕ぎなしで登れてしまう。PSF1のアシストは後輪ハブモーターなので激坂でもトルクをかけて登れるのが良いです。(前輪ハブモーターの車種だと前輪が浮いてしまってトルクが逃げてしまうことがあるらしいです。)

PSF1にはシマノALTUS 7速ギアが装備されており、チェーンリングが48t/リアが12t-28tで、一番ローギアに設定すれば電動アシストなしでも大概の峠は登ることができるだけの登坂力を持っています。
実際自分は電動アシストを一切使わないで蓼科高原白樺湖」から「霧ヶ峰」を経て「美ヶ原」までの40km(往復80km)を走破しました。

バツグンの制動力!

PSF1はメカニカル・ディスクブレーキが搭載されています。
油圧ではありませんが制動力はバツグンで、峠の下り坂での不安を感じたことは1度もありません!
箱根などの峠で50km/h以上の速度で下っている時もちゃんとブレーキが効き、自分が持っているリムブレーキロードバイクよりむしろ下りは安心感があるくらい。
長い下りで連続使用しているとブレーキディスクが熱を持つためか多少音が出るようになりますが、それ以外は全く問題ないです。
バツグンの登坂力に加えてバツグンの制動力があるので、まさに「峠」はPSF1の独壇場です。

カメラポタリングしやすい

PSF1はカメラを持ってポタリングをするのに凄く便利な乗り物です。
電動アシストのおかげでストップ&ゴーが楽だし、登り坂の途中でも気楽に停車して写真を撮り、楽に再発進できます。
リアキャリアやリクセン&カールアダプターなどを利用すればレンズキットや三脚も持ち運べます。

今人気のサイクルチェアリングにも最適!

ヘリ○ックスのような軽量チェアでなくてもリアキャリアに折り畳みチェアを括り付けて気軽にサイクルチェアリングを楽しめるのもPSF1の魅力のひとつ!
パニアバッグに食べ物や飲み物を入れ、好きなロケーションでチェアリングを楽しむ週末もいいもんですよー♪

 

車載運用との相性がバツグンに良い!

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軽自動車(ワゴンタイプ)の荷室にすっぽり収まるサイズ

3ステップで折り畳めるので慣れればほんの数秒でホールディングが完了できます。
折り畳んだサイズは非電動の折り畳みミニベロに比べると大きいですが、軽自動車(ワゴンタイプ)の狭いラゲージルームにも簡単に収まります。

車に積んで遠方に移動し、現地で走りたいところだけ走るといったことが気軽にできます!
例えば、駐車場が満車だった時などは少し離れた空いている駐車場に車を停めて、そこからPSF1で移動する…なんてことが可能です!

宿泊先で部屋に持ち込める安心感!

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宿泊先の部屋に持ち込めます!

宿泊先に駐輪場がなくて外に停めなくてはならず、盗難や悪戯の不安を抱えながら一晩を過ごすのって嫌ですよね。
PSF1なら折り畳んで部屋に持ち込めるので安心です。

カスタマイズで更に便利に!

積載量を増やしたい!

リアキャリア

PSF1はリアキャリアがオプションとなっているので、コレは是非ともつけた方が便利です。
PSF1にはダボ穴とか全くないのでリアキャリアなしだとロードバイク並みに積載能力が低いです。
しかしリアキャリアをつけることで格段に便利になります!

そこそこ重い荷物も電動アシストのおかげで苦労することなく運搬できます。

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リアキャリアにバッグを装備

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リアキャリアにパニアバッグを装着
リクセン&カールのアダプター

リアキャリアとパニアバッグなどのおかげで積載量はバッチリですが、頻繁に取り出す財布などの小物は結局サコッシュやボディバッグ入れて背負っていました。
これがロングライドだと身体への負担になってきます。
そこで、ハンドルステム(ハンドルポスト)にリクセン&カールの「キャディー」を取り付け、手持ちのボディバッグにklickfixに対応したパネルを取り付けて「リクセン化」して装着してみました。
ワンタッチで着脱できるのでかなり便利です!

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ボディバッグをリクセン化して装着

もっとスポーティな走りを楽しみたい!

ショートステムに交換

PSF1は「街乗り」を意識して作られた自転車なので標準のハンドル位置がかなり高く、アップライトな乗車姿勢になります。
短距離なら良いのですが長距離になると結構シンドイ!
しかし、BESVから「ショートステム」というオプションが販売されており、これに換装することで60mmハンドル位置を下げることができます。

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標準より60mm短いショートステム

実際にコレを装着してみましたが、かなりクロスバイクに近いポジションになりました。

エルゴングリップ

標準のハンドルグリップがかなりシンプルでチープなので正直長時間のロングライドには向きません。
これはエルゴングリップなどを装着することでかなり解決できます。

自分はエルゴングリップGP02を装着してみましたが、軽く手を置いてもハンドリングできるし、小さな「ツノ」があるので手のポジションを変えることができて手の疲れをかなり軽減することができます。

サドル交換

PSF1の標準サドルはハッキリ言って硬すぎる!
数キロなら問題ないのですが、とてもロングライドできるようなものではありません。
自分は早々にロードバイク用にサドルに交換しました。

ロード用でもクッション性が高いものが相性が良さそうです。
(自分はSELLE SMP HYBRIDを装着していましたが、今はそのサドルはロードバイクにつけており、元々ロードバイクについていたボントレガーのサドルをPSF1に移植しています。)

ブロンプトンなどでは定番のカスタマイズになっているサドルの「BROOKS」なんかも気になるところです。

ペダルのカスタマイズ

標準の折り畳みペダルは街乗りやチョイ乗りにはイイと思いますが、ロングライドするなら交換した方が良いと思います。
まず、スパイクがないので滑りますし、プラスチック製のため剛性がないので踏み込んだ時に貧弱に感じます。

自分はロードバイク用のビンディングシューズ(SPD)を持っているので、片面フラット&片面SPDシマノ「PD-EH500」に交換しています。

ビンディングはいらないという方は、着脱可能なMKS(三ヶ島)のツーリング・ライト・イージースーペリアが良いですね。

実際自分もSPDシューズを履いてまでPSF1に乗るシーンも少ないので、こちらに変更しようか思案中です。

これまでの装備とカスタマイズについて

これまでの半年間でやってきたカスタマイズや追加装備でほぼ満足いく状態まで仕上がってきました。
カスタマイズ装備に関しての詳細は以下の記事を参考にしてみて下しさい。

PSF1の不満点

輪行するには重すぎる!

PSF1は20インチの電動アシスト付き自転車の中では最軽量級で、カタログスペックで18.3kg(バッテリー込み)です。
自分はリアキャリアを装着しているので+1kgくらいあるでしょう。
最軽量級とは言え20kgを持って移動するのは大変です。
例の「JRルール」のおかげでリアキャリアのキャスターで駅構内の移動ができないとなると、ただただ地獄・・・
例えリアキャリアで移動できたとしても新宿や東京のような人が多いハブステーション内を移動したいとは思いません。(ローカル駅ならまだ良いのですが…)
1泊2日以上のロングライドとなると、更に充電用のリチャージャーも持っていくことになりますが、それがまた大きくて嵩張る上に重さもあります(520g)
予備バッテリーを持参するとなると更に+2.1kgです。
それらを入れるパニアバッグも片側750g。
結構な重さを持って歩かねばなりません。

以上の結論から「PSF1は輪行には不向き」と言わざるを得ません。

電車輪行に不向きとは書きましたが、輪行は可能ですし実際何度も輪行しました。
ただ、気合と根性が必要ですw

気軽な輪行旅をお考えなら↓の記事にまとめている「非電動」折り畳みミニベロがオススメです。

飛行機輪行するには敷居が高すぎる!

PSF1に限らず電動アシスト付き自転車のバッテリーは飛行機に持ち込めません!
預けはもちろん、機内持ち込みも不可です。
…ですので、もし飛行機輪行したいのであれば、事前にバッテリーだけ行き先に送っておく必要があります。
この縛りは非常に敷居が高いように感じました。

なお、バッテリーを外したPSF1は20kg以下に収まるので、JALANAなら預け荷物制限内のため追加料金なしで預けられます…とのこと。

ダボ穴がない!

フレームなどにダボ穴がないので、ボトルケージなどをつけることができません。
仕方がないので自分はハンドルバーに装着できる布製のボトルバッグを購入しました。

ハンドル周りがごちゃごちゃするので、本当はあまり付けたくないんですよね。

TERN Vektron S10 や ブロンプトンのようにヘッドチューブにダボ穴があれば、そこにKlickFix対応のアダプターやブロンプトン用のアダプターをつけられたのになぁ…
ハンドルポストにアダプターを付けるよりスマートなので、ヘッドチューブにダボ穴が欲しかったな。

ギア比がイマイチ

PSF1の7速ギアは12-28tですが、高速域(特に下り)でギアが足りない場面が結構ありました。
11-28tの方が自分の脚には合ってそう。
これはスプロケを交換すれば対応可能みたいなので、今度タイヤ交換をするタイミングで一緒に交換してみたいと思ってます。

低速域や中速域は電動アシストがカバーしてくれるので、電動アシストが切れる24km/h以上の高速域のギアが多い方がこの自転車に合っているように思います。

フロントの振動吸収性が低い

サスペンションのおかげでリアの振動は適度に緩和してくれるのですが、フロントはアルミフォークなので振動吸収性が低く、長時間ライドしていると手が痺れてきます。

兄弟機のPS1やPSA1はフロントサスペンションを搭載しているので、本来はそういう設計になっていることが望ましいのだと思う。
折り畳み機構があるのでそのままの形のサスは無理だと思うので、タルタルーガやバーディのような構造だったらもっと乗りやすかったと思う。
せめてオプションでカーボンフォークが発売されないかなぁ…

ハンドルバーもアルミなので振動が伝わりやすい。
カーボンハンドルバーに変えれば改善されるかもしれない…

BESV SMART APPの出来が悪い

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※BESV Smart App より引用

PSF1の良いところで紹介したサイコンですが、1度に単機能しか表示できないのが不満です。
速度とケイデンス/速度とパワーメーター…など、せめて2つの機能を同時表示して欲しかったです。
これに対応するため、BESVから専用のスマホアプリが出ています。
BESV SMART APPを使うことで、速度とケイデンスの同時表示などは可能になります。
しかし! このアプリの出来があまりよろしくない。

  • BlueToothで接続するのですが、頻繁に接続が切れます。
  • ナビは簡易的なもので事前にアプリ上でルートを作成しないといけないし、しかも作成したルートはセーブできない。(走行記録はセーブできます。)
  • バックグラウンドでGPSラッキングが正常に動かない…
  • 縦画面非対応

…等のまともに使えないのが残念。
今後のアプリの改善を期待したいところです。

まとめ

半年(7ヶ月)PSF1に乗ってみて、改めて「非常に魅力的なバイク」だと自信を持って言えます。

ただ、やはり「全てにおいてパーフェクト」という理想のバイクではなく、一長一短がありますね。
PSF1は高原地帯など勾配の多いロケーションで比較的長く自転車に乗って楽しむ…ようなシチュエーションには真価を発揮すると思います。
一方、気軽に電車に持ち込んで「街ポタリング」を楽しむ…といった用途には不向きです。
そういった用途にはDAHON K3とかブロンプトンの方が合ってると思います。
気楽な電車輪行「街ポタ」もやってみたい!…と思っているのですが悩ましいですね。
「シェアサイクル」を活用した「街ポタ」もやってみようかな🚴‍♂️

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