TEDレビュー:高橋晋平 新しいアイデアのつくり方 「∞(むげん)プチプチ」はどうやって発想したのか
今回はあの「∞(むげん)プチプチ」などの大ヒット玩具を発明した高橋晋平氏のTEDx Tokyo のプレゼンテーションをレビューします。
現在、新規事業開発に関わっている私にとって、高橋晋平氏が直面した問題にとても共感を覚えます。
そして企画に携わる人間は、彼が編み出した発想法こそ積極的に取り入れていくべきだと感じています。
❚市場データの分析によるアイデア出しの問題点
入社した頃は、新しいアイデアを毎日たくさん考えて、上司に提案していました。しかし、いつもこう言われました。「これが売れるというデータがあるのか? 市場データを分析して商品を考えろ。データ、データ、データ……」
そこで私は、市場データを分析して、商品を考えました。
その途端、新しいことを何も思いつかなくなったんです。
「売れる根拠」に基づいた発想での新商品開発。
そもそもこれが問題。 アイデアは似たり寄ったりし、考えるのも苦痛になってきます。
❚「しりとり」でアイデアを考える発想法
しりとりを自由にやっていきます。ねこ→コーラ→ライブ→ブラシ→何とか何とか……。ランダムな言葉がたくさん出てきます。その言葉を自分が考えたいものに無理やり結びつけてアイデアを出していくんです。
例えば、ブラシ。歯ブラシをおもちゃにできないか。例えば、歯ブラシとギターを合体させて、ジャジャージャージャジャー♪と磨きながら演奏ができるおもちゃ(笑)
・・・マジか。
❚ 目をつぶってダーツを投げるようアイデアを考える
とにかく、くだらないアイデアをどんどん出すんです。皆さん、くだらないアイデアをたくさん出します。分析に基づいて狙うところがわかってしまうと、そこを狙いすぎるあまり新しいことが出なくなります。
狙うところがわかっていても、目をつぶってダーツを投げるように、自由にアイデアを考えるんです。そうすると必ず真ん中に近いところに当たります。一個ぐらいは。それを選ぶんです。そうすると、そのアイデアはニーズがあり、かつ、新しいアイデアになる。そういうやり方です。
❚ 質より量が大切!ランダムな言葉を集める。
しりとりじゃなくても、いろんな方法が出来ます。ランダムな言葉を集めればいいんです。辞書をパラパラとめくって言葉をランダムに集めたり、例えば適当な2文字を検索して、出てきた言葉を拾ったり、お店に行って、商品の名前をどんどん考えたいものに結び付けていくというやり方もありです。
ポイントは自分が考えたいジャンルの情報を集めるんではなく、ランダムな言葉を集めることです。
そうすることで、頭の中に連想の材料が、いろいろな連想の材料が集まって、それが結びついてアイデアがどんどん出ます。
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この方法はもちろんおもちゃだけでなく、本やアプリ、イベント、あらゆる企画の発想に役立ちます。ぜひ皆さんに試していただきたいです。
つまりアイデアの発想は・・・
量(Quantity)> 質(Quality)
ということ。
そしてそれを続けることによって材料が蓄積されていき、アイデアが出しやすい頭になっていく・・・ということなんですね。
いかがでしたか?
高橋氏のプレゼンはアイデア発想で苦しんでいる方の特効薬になりそうですね。
高橋晋平氏は以下の著書で、このプレゼンで語った内容をさらに詳しく説明されています。
私も読みましたが、アイデア発想に役立つ良書だと思います。
アイデア発想法だけでなく、いかにして上司や決裁者を通すかという「アイデアを実現させる技術」についても触れられています。
異業種交流会「紺碧会(英語)」「青風会(日本語)」参加者募集中です!
たくさんの方と交流を持つことで、発想が豊かになっていきますよ。