紺碧ブログ

自転車や写真など筆者が関心のあることを気ままに書いていくブログです。

LOVE文房具:ディープな『鉛筆』の世界 [筆記用具・鉛筆・書籍]

前回のLOVE文房具で「ブラス・ペンシル」を紹介しましたが、今回はもう少し『鉛筆』についてディープに語ってみたいと思います。
 
小学生の頃はみんながお世話になった鉛筆ですが、長ずるにつれて使う機会が減り、社会人になると殆ど使わなくなるのではないでしょうか?
 
でも、それは勿体ない!
 
実は鉛筆はとても優れた筆記用具なのです。
・万年筆や水性ボールペンのようにインクが乾いてしまって書けない!なんてことはない。
・ボールペンのように仰向けに寝転んで書けない!なんてことはない。
・雨の中や風呂に入っている時でも筆記できる。(紙を選びますが。)
・シャープペンのように簡単に芯が折れることはない。
・細い線から太い線まで一本の鉛筆で表現できる。
・一本の鉛筆だけで濃淡の表現ができる。
・消せる。
・実は筆記距離が最強!
  フリクション 90~250m
  4C規格ゲルインキボールペン 60~120m
  シャープペン 225m
  万年筆 300~800m(カートリッジ)
  4C規格油性ボールペン 600~700m
  水性ボールペン  500m前後
  油性ボールペン 1.0km前後
   鉛筆 50km!

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鉛筆の歴史

ここで鉛筆の歴史を少し振り返ってみましょう。
1560年代、イギリスのボローデール鉱山で良質の黒鉛(こくえん)が発見され、その黒くなめらかな性質が注目されて、こまかく切ったり、にぎりの部分をヒモで巻いたりして筆記具として使われるようになりました。
こうして世界最初のえんぴつは作られました。これは、黒鉛を板状か棒状にけずり、板にはめ込むという簡単なものでした。なかには、黒鉛に直接糸を巻き付けただけというものまでありました。
このボローデールの黒鉛を堀りつくすと、やがて、黒鉛の粉末と硫黄を混ぜて溶解し、これを練り固めて棒状にすることが考案され、今日のえんぴつにもっとも近い筆記具となりました。
1760年にカスパー・ファーバーというドイツ人が黒鉛の粉を硫黄などで固めた芯(しん)を作りました。
1795年にニコラス・ジャック・コンテというフランス人が硫黄の代わりにねんどに黒鉛を混ぜ、これを焼き固めて芯を作り、さらに混合の比率を変えれば芯の硬度が変化することを発見しました。現在でも基本的には、このコンテの方法でえんぴつの芯は作られています

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現存する世界最古の筆記具メーカーで創業は1761年。ドイツ・ニュルンベルク郊外で家具職人のカスパー・ファーバーが鉛筆の製造販売を始めた。1898年に4代目ローター・フォン・ファーバーの孫娘の結婚相手の名字と合わせ「ファーバーカステル」となり、現在の当主は9代目となる。4代目ローターの数々の功績から爵位を授かり、のちに伯爵家となった。
ファーバーカステルは老舗筆記具メーカーとして、今も誇りをもって高品質の鉛筆を生産しています。
・・・中にはかなりあまりにラグジュアリーなものもありますが・・・
詳しくは後ほど。
 

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ヨハン・セバスチャンが1835年に鉛筆製造工場を設立した事が、 ステッドラー社の始まりとなりました。
設立者のヨハン・セバスチャンの祖先であるフリードリッヒ・ステッドラーは、現存している「鉛筆製造者」としての世界最古の記録としてニュルンベルク市役所の資料にその名が残されています。

 

 定番のハイスペックな鉛筆

◎三菱 Hi-uni(ハイユニ)
三菱鉛筆 鉛筆 ハイユニ アートセット 22本入 HUAS

三菱鉛筆 鉛筆 ハイユニ アートセット 22本入 HUAS

  • 出版社/メーカー: 三菱鉛筆
  • メディア: オフィス用品 
現存する鉛筆で、おそらく最も高品質なものは三菱Hi-uni(ハイユニ)だと思います。
日本の伝統色えび茶色と高級感をイメージしたワインレッドを掛け合わせた軸色に、金字で6面に硬度を表示し、金色のリングがついている高級感のあるデザインです。
デザインもそうですが、書き味がまた最高です。
特に4Bより柔らかいものは、本当に鉛筆なんだろうか?と思うほど紙の抵抗をあまり感じずに滑らか書けます。
 
これで標準小売価格1本140円ですから、とても安いですよね。
 
ちなみに私は6BのHi-uniを愛用しています。
筆圧をかけなくてもサラサラかけるので、思考を巡らすときによく使っていますね。
 

製図やファインアート、デッサン、クロッキーといった用途に向いた鉛筆です。

紙への定着性がよく均一な線が書けます。
Hi-uniとは真逆で、紙質が感じられるカリカリした書き味です。
私は昔、少しだけデッサンや絵を描いていましたが、その時好んで使っていたのがこのルモグラフですね。
2Hくらいの固めの鉛筆を使って、細い線でカリカリ描いていくのが好きでした。
 
ステッドラー マルス・ルモグラフで描いたデッサンと下絵

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2Hとか固い鉛筆は↓↓↓こんな感じ↓↓↓の細かい絵を描くのに向いてます。

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鉛筆のザ・スタンダード。老舗中の老舗ファーバーカステルが1905年にリリースして以来、多くのアーティストやイラストレーターに愛されてきた鉛筆です。

ハイユイより硬く、ルモグラフより柔らかい感触で、まさにスタンダードと言えるでしょう。
また、木軸と芯はSV方式と呼ばれる全面接着を行うため、非常に折れにくい軸であることも特徴の一つです。
 

特徴的な鉛筆・超高級鉛筆

◎つくし文房具:つくしえんぴつ

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軸が太めで短く、大人も使いたくなる鉛筆です。
素地の木の丸い軸を面でカットした白いラインが印象的。それが手がかりにもなり、転がりにくくもなっています。
ラインナップは柔らかい4Bの芯のみで、柔らかな書き(描き)心地です。
 
ファーバーカステル 9000番 ジャンボ鉛筆
カステル9000番ジャンボ鉛筆5本ブリスター

カステル9000番ジャンボ鉛筆5本ブリスター

カステル9000番鉛筆のジャンボバージョン。太い軸が手に馴染み描きやすく、より太い黒芯で、しっかりと描画できます。
スケッチや下書きをはじめ、より広い面を塗ったりシェーディングに最適な高品質鉛筆です。
 
◎五十音:漆塗り鉛筆

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ザ・高級鉛筆。
銀座にある超こだわりの文具店「五十音」が一本一本手塗りで仕上げた漆塗りの鉛筆です。
漆のしっとりした感触が気持ち良い(のだろうなぁ…実は高くて手が出ません。)
「春慶」1,600円、「津軽唐ぬり六角」2,000円、「津軽唐ぬり」各1,600円
 
鉛筆5本で6,500円という、これまた法外な値段です。
まっすぐに育ったカリフォルニアシダーウッドを使用し、削りやすいのが特徴です。
こちらはパーフェクトペンシル伯爵コレクション(エクステンダー)のリフィルという扱いです。
お尻には消しゴムとキャップをつける金属パーツがついています。
ちなみに消しゴムが5個で1700円、キャップが1個8400円という、異次元のお値段。
流石伯爵”コレクション!
 

書籍:考える鉛筆

文房具ライターで有名な小日向京さん。
マツコの知らない世界にも出演して、鉛筆にまつわるディープな話を展開しました。
これが面白くて・・・
 
番組でも紹介された著書「考える鉛筆」は、鉛筆のあり方を考え直させてくれる本ですよ。 鉛筆っていいなぁ…と思わせてくれます。 
考える鉛筆

考える鉛筆

  • 作者: 小日向京
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2012/03/23
  • メディア: 単行本
何ひとつ役に立たない、すばらしき鉛筆大全。鉛筆は、思考のジャマをしない唯一の筆記用具である。シンプルなのに、すいすいスラスラ、書けば書くほど「考え」は浮かぶ。そんなすばらしき鉛筆の魅力を、持ち方から、削り方、書き方、運び方、香り方、愛し方にいたるまで、そのすべてを縦横無尽に語りつくす。

読んでみました。
筆者のものすごい鉛筆愛を感じました。 
そして共感を覚えました。
・・・やっぱり鉛筆ってイイなぁとしみじみ思いますねぇ。

 
おっと、少々熱く語り過ぎてしまいました。
今回は『鉛筆』のディープな世界のお話でしたが、まだ終わりませんよー
次回は鉛筆を最後まで使い切る『エクステンダー』の世界をお送りする予定です。
 
 

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